バス釣りよもやま話

「池の水を抜く」番組は矛盾だらけ?

投稿日:2017年11月26日 更新日:

※追記

2018年3月11日に放映された

池の水ぜんぶ抜く大作戦7

を批評。

 

最近、テレビネタが続きます。

今回はあの番組を少し批評したいと思います。

テレビ東京系で放映されている

「池の水全部抜く大作戦」です。

少しだけ、主張が過激になるかもしれません…

本日、このブログ執筆時(2017年11月26日)に

第5段が放映されております。

2017年1月に第一回が放送された後、

以下↓の記事でも紹介しました。

愛すべきバス釣り名著③『底抜けブラックバス大騒動』

当初のタイトルは、

「緊急 SOS!危険生物から日本を守れ!全国一斉大調査」

でした。

 

初回は、大量発生していると言っていた、カミツキガメが1匹も見つからない

制作サイド泣かせの内容で、そのうち打ち切りになるだろうと予想しましたが、

かなりの視聴率を記録しているようで、

今回でもう第五弾です。

予想が外れ申し訳ございません…

ネットニュースにも良く取り上げられます。

ただ、釣り人なら、既に感じられているかもしれませんが、

この番組は、回が進むにつれ、演出優先で色々と矛盾する場面が

出てきているように思います。

 

今回は、ライギョが取り上げられました。

大阪府枚方市にある「山田池公園」の水を抜きます。

テレビ越しで見ても、なかなか大きな池です。

そこにはなんと、ライギョが10000匹いると言うのです。

番組では、在来種を食べ尽くす「憎きライギョ」とか、いう表現で、

力の限り、雷魚をディスります。

 

では、池の水を抜いて、雷魚は何匹見つかったと思いますか?

4匹です…

釣り人なら分かると思いますが、

あの、〝か弱き〟雷魚がそんなに野池で大繁殖しているわけがありませんよね。

とにかく「外来種=敵」との、思考回路で、どんどん虐殺していきます。

そんな番組の中で、私が少し違和感を覚えた事柄を紹介したいと思います。

その、山田池公園の水抜きでは、外来種を効率的に捕獲するために

地引き網のノウハウを持った方が助っ人(救世主)として、登場します。

その方は、大阪でヘラブナの養殖をしており、

全国の釣り堀に放流しているとのことです。

 

国内外来種の放流を生業にしている方を救世主として、

登場させたらあかんやん

と単純に思っちゃいました

その方を責めるといった気持ちは一切ないです。

ただ、

ヘラブナがフィッシュイーターではないかもしれませんが、

番組で、さんざんディスっている、国内外来種を養殖して

他の地域に放流している方ですよ。

なんか、すごい矛盾を抱えた番組です。

 

また、日本テレビ系の鉄腕DASHにも進出している

静岡大学の加藤英明氏が行う

「外来種」「守るべき生き物」の選別も

何か見てて、いたたまれなくなりました。

在来種保護を、錦の御旗にしたファシズムですよ。

 

今回の第五回ではないですが、

これまでの放映では、

捕まえたコイ(外来種)について、駆除はせず、

住民らの意向で、池に再放流することがよくあります。

(第五回で放映された三浦半島の池では、駆除の方向になったようです)

最近話題になる、ニシキゴイの放流問題なども含め、

人間のエゴなんだなあ、とトコトン思います。

 

第五回でよかった点も少しだけ、ありましたので、ご紹介します。

それは、

ブラックバスをココリコの田中直樹さんが食し、

美味しいとアピールしていたことです。

愛すべきバス釣り名著②『ブラックバッス』

【ガイド必須?】下手な関東人が琵琶湖遠征したらどうなるか㊦

上記↑の記事でも紹介したように、

私は、食の面など、ブラックバスの有用性が世に広がることが、

バサーにとって生活しやすい社会になるのではと考えております。

こうした演出には大賛成です。

 

総括しますと、この番組は、放映が増えるにつれ、

テレビ的な演出に走りすぎている印象です。

テレ東さん、調子に乗りすぎると、打ち切りになるんじゃないでしょうか。

日経新聞にもバンバンこの番組の功績をアピールする広告を出していますが…

 

ロンドンブーツ田村淳(番組メインMC)さんの相方、

田村亮さんは、釣り好きで知られます。

楽しみながらブラックバスを釣っている姿を、

釣りビジョンでバンバン披露していますよ。

しかもバスプロと。

関係する皆さんには、もう少し多様な視点を持ってもらいたいものです。


 

私のyoutubeチャンネル「バス釣りアマチュア動画」もよろしくお願いいたします

-バス釣りよもやま話

執筆者:


  1. おっさん より:

    先日も「宝探し!?」みたいに煽って池干しを断られた番組ですからね
    だんだんモラルもへったくれも無い番組になっていくのが楽しいです

  2. s k より:

    私も同じように思っていました。夫は好きでこの番組中見てますが、一緒に見ていると嫌な気持ちになります。正義の名の元に虐殺をレジャー化していると思います。それに、生き物を勝手に擬人化して表現するのやめて欲しいです。何事が起きたのか水面から首をちょこんと出してこっちを見ているカメのことを「あざ笑うように見ている」とか・・・

    人間に勝手に放されて、増えたら悪者にされて殺されるんです。生態系の乱れをただすために仕方のない事だとしても、生き物の命は平等だと思うので、もっと外来種の命をリスペクトした表現にすべきです。子供達もたくさん参加しているようですが、子供に「悪者の外来種は殺しても良い」と教えるんでしょうか?

    そもそも一番地球の生態系を乱しているのは人間です。でも害があるからと言って全滅させられたりしないですよね。(関係ない事かもしれませんが、人間は例えどんな悪いことをしても責任能力が無い場合は罪にならなかったり)なんだか人間て身勝手だなと思います。

    • td より:

      熱心なコメント、どうもありがとうございます。
      skさまのおっしゃる通りかと思います。

      私は幼少期から、バス釣りに親しんできた人間です。
      各地で行われるブラックバスの駆除を通して、
      バス以外の外来種問題にも関心を持ってきました。

      子供に「悪いやつだから殺せ」なんて言えないですよね。
      表面的ではなく深い部分で、こうした外来魚の問題を知ってもらうために、
      これからも、筆を執り続けますので、よろしくお願い申し上げます。

  3. あつしー より:

    そもそも、テレビですから、ここに圧倒的な善行を求めるのも間違いでしょう。
    テレ東は、NHKと違ってただの経済的な放送局なんですから、ボランティアでやってるわけでないし、視聴率のために、視聴者を、あおったりするのはしかたありません。

    それに、釣り好きからすれば。。。と言いますが、釣り好きな人(全ての在来種の元凶とは言いません)が勝手に、釣りを楽しみたいだけのエゴで、そもそも日本にいない池や川に、外国の強い種を放流しするほうが、テレ東がやってることよりも恥ずべき行為でしょう。
    この行為のせいで、もともとあった古来からの生態系が崩されて、これから日本に生まれてくる子孫たちが、生きてる姿を見れなくなるとしたら、そのような行為をしたものはその罪の大きさを認識すべきだと思います。

    方法はどうあれ、もとの姿に、戻そうという試みは間違いではないですし、殺す殺さないは、もうそうなってしまっている以上、それ以外に方法がないのですから、そのままにして、在来種が殺されるより、駆除した方が良いと思いますよ。
    家に入ってきた蚊や、ゴキブリや、ハエなど殺さないのですか?害虫は良くて、外来種はだめだというのは筋が通りませんよね。
    別に、外来種を世界から無くそう!そのために世界から絶滅させるんだ!と言ってるわけでなく、日本には日本の本来の姿があるので、そのように戻すために日本にいるはずのない外来種は駆除しましょうという事は、本来ならTV関係なく、国なり市町村が税金をかけてやらなければならい問題なんだと思いますよ。

    • td より:

      私の意図が分かりづらい記事になってしまって反省しております。

      釣り人が外来魚を放流したというのも、現場を見たわけではありませんが、アングラーとして否定はできません。全ての池、川がそうだとは思いませんが。そうした背景から、私は、番組で取り上げられるような池(農業用ため池や、城のお堀、寺・神社の池など)での外来生物駆除に対し、基本的に反対はしていません。納税者が望むなら、税金でどんどんやってもいいでしょう。

      一段落目のテレビ局に関する考え方も、おっしゃる通りかと思います。ただ、黙っていては外来種に関する多様性のある議論ができないと思い、こうして筆を執っている次第です。

      前置きが長くなりましたが、私が主張したいのは「駆除=殺処分」という外来魚へのレッテルが、間違っているのではないかということです。殺さなくとも適切な場所に移せば、何の問題もありませんよね。

      番組ではカメが見つかると、伊豆の施設に引き渡し、人間の管理の下、閉鎖した空間で飼われます。
      でも、魚は殺処分されるケースがあります。

      いったい、この差って何なんでしょう。

      これって〝ヒトによる命の選別〟ではないかと。過激かもしれませんが、魚を殺すのであれば、カメも全て殺処分すべきと思うのです。外国から来た生物ですから。そこは平等に。前段にskさまのコメントがありますが、そういう違和感を感じられての投稿だと推察しております。

      魚の場合でも、水族館に預けたり、ブラックバスであれば公的に放流している河口湖などへ持っていったりすることもできます。記事で紹介したように、それができないなら美味しく食べることだってできるでしょう。そうした配慮がない外来種駆除は、生物の命を軽視していると言われても、反論できないのではないでしょうか。

      つまるところ、こうした「殺すor殺さない」の判断基準は、個人の主観なのです。

      マイノリティーかもしれませんが、ゴキブリやハエを殺したくないっていう人も存在します。私自身、家に害虫が出たら、殺すのではなく外に逃がすタイプです。逆に「伝染病を媒介しかねない野犬を駆逐しよう」という番組が放映されたら、どういうことになるか想像に難くないはずです。そうした番組に反対する方は、マジョリティーなのでしょうが。

      「外来魚を殺処分してほしくない」との意見は、少数派なのかもしれませんが、そういう考え方もあることを知ってもらいたいのです。

      ここで追加しますが。私もこの外来種問題については、学びの途上です。
      何かご意見があれば、答えて頂きたいのですが(稚拙な疑問で恐縮です)

      あつしーさまは「古来からの生態系」「日本の本来の姿」「もとの姿」との表現を使われていますが、それって、いったいいつ頃なのでしょうか。明治時代、江戸時代、はたまた大陸から分断され、日本列島が形成された頃?(その頃からため池が存在しているか不明ですが)生態系をどの時期まで戻すのが適切なのか。最近考えています。

  4. あつしー より:

    ご返信ありがとうございます。
    アングラーが全てではないというのは、もちろんわかっております。
    マングースや、ウシガエル、アメリカザリガニ、ミドリガメ、クサガメ、ソウギョ、ヌートリアなど、食用や、害獣駆除、毛皮の為等、昔の間違えた見解や、歴史の中で入れてしまったもので、外来種には何の罪も悪もありません。すべての現況は人間です。
    この無知で安易な行動の結果論ですが、現状、在来種がいなくなってしまう危機に瀕してる事実があり、その解決策として外来種を全て殺処分にしよう!という現状が問題だとおっしゃられますが、それは保健所の犬や猫も同じで、自分も大問題だと思いますし、外来種を悪魔のように扱うマスメディアのやり方には賛同はしておりません。外来種には、本当に何の罪もありません。
    極論、もとにいた所に返してあげるのが一番の方法なのでしょうけど、それは現実的に考えて無理ですから、現状では殺処分しかないのでしょう。
    亀と魚の命の差についても、亀を受け入れる施設が無ければ亀も殺処分してると思いますし、TVで関係無いところでは、行政がそこまでの世話をする余裕もないので、一般レベルでは、殺処分されてるんでしょう。
    命を優先して、現在の状況を継続させるのか?日本という国ではなく、生態系を培ってきた土地を守るのか?になるんだと思いますが、日本に生まれた以上は、在来種に肩入れしてしまうのは仕方ないですし、命は平等でしょ?と言われても、申し訳ありません。。。としか言えません。
    今の人間の文化レベルは、物質に支配されていて、他を殺さないと生きていけないレベルでしかない以上、命の議論をしても、空しい現状があって、ペットの命が上で、家畜の命が下だという世界観は、ぬぐいようがありません。
    所詮、今の日本のレベルはそれくらいの物ですから、命に上下を付ける形でしか、外来種の問題に対応できないんだと思います。
    日本にいる貴重なクマですら、里に下りてきたら、ほぼ殺処分の現状があるのですからね・・・

    ちなみに、在来種の定義の話ですが、学者でもなんでもないのですし、はっきりとした定義は無いと思うので、正確にはお答えできませんが、自分的には、日本が形成されてから、日本独自の生態系ができた時に、日本に存在した種が在来種なんだと思います。

  5. 美作 より:

    もともと、池の水を抜いたら何がでてくるか?というところが発端ですから、宝探し的な探究心を煽る文句はしかたないと思います。

    私個人としては、駆除は気分がいいですね。
    中国山地に住んでいますが、2000年頃に雨による川の増水がありまして、そのときから川の様子が変わりました。
    その年はまったく魚がつれなくなり、川の中を見ても魚がまったく見なくなったことがあります。
    数ヶ月たっても鯉くらいしか見かけず、おかしいと思ってルアーを使うとバスが
    上流の池で、無断で放流されてたブラックバスが増水で川に流れた為でした。
    その年はルアーを投げれば8割釣れる川になってしまい、それから3年くらい間をおいてフナなどがようやく戻り、10年くらい経ってようやく元の生態系になった気がします。
    もちろんブラックバスはまだいますが、最初に現れた頃に比べたら大分少なくなりました。
    生態系のピラミッドが新しくできたんでしょうね。
    今の田植えの時期だと、あの頃のようにルアーを投げてもナマズしか連れませんが、流れが滞留する緩いところではバスが釣れます。

    あの進入したら一瞬で既存の生物を蹂躙する様を、リアルタイムで感じた身としては、イタチごっこでも駆除したほうが良いと私は思いますね。
    ただ、鯉や亀もたまに地元の意向で残したりする事もありますし、その辺はやはり人間のエゴなんだろうと思います。
    まぁ、表現が過剰なのは同意しますが。

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車がないのにボート釣りを楽しむアラサー。四国に生まれ育ち、小学4年の頃バス釣りを開始。以来、高校まで近所の野池やリザーバーなどでバス釣り人生を過ごす。現在は東京在住。初めてバスを釣ったルアーはノーブランドのミノー。思い出のリールはスコーピオン1500、TD-Z105HL、バリウスF200

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